どうも、ひろきのだいちです。おひさしぶり。
先日7/12に東工大の大岡山キャンパスでSBM勉強会が開かれ、いってまいりました。
今話題のiPhoneのソフトバンクモバイルではなく、
「ソーシャルブックマーク」勉強会ということで方々に誤解を招いているSBM勉強会ですが、tomoさんの勉強会としては過去最大級の規模100人越え(実参加は80人くらいか)の大盛況振りでした。
講演者の方々への感想はすでにいろいろなところで書かれているので
今回、僕はあえて次回のソーシャルブックマーク勉強会に期待することと
今回語られなかったことを洗い出してゆきたいとおもいます。
この語られなかったことは懇親会の二次会、恵比寿のバーでぐだぐだと語られたこと(深夜0:00まで)でココでの議論が実はもっとも有益なものだったのではないかと思っています。
それをシェアするのも重要だと考え、ブログにしたためます。
SBM勉強会で語られなかったこと
現状のソーシャルブックマークサービスと呼ばれているものの正体についてはさまざまな講演者が語ってくれていて、それはそれで現状や歴史の整理になり有益だったのですが、そもそも論としてのソーシャルブックマークについての考察があまりなかったように感じました。
小島さんのソーシャルグラフAPIのお話が、もっともそこに近づいたのですがそれが違和感になるほどに"ソーシャル"であることについての言及があまりありませんでした。
そもそも、ソーシャルと名を関するサービスはそれ自体を単なる場図ワードとして取り扱っている面も否めませんが、これらの指すソーシャルが現実の社会的関係ネットワーク、つまりソーシャルグラフを意図している部分はたぶんにあると思われます。
では、果たして現状のソーシャルブックマークで
「現実の社会的関係」を重要視し、これらの構築を意図しているような部分は存在するでしょうか。
僕ははてブ「お気に入り」などの機能がそれに類するものだと考えますが
ソーシャルグラフを意図するには不十分であるように感じられます。
私見では現状のソーシャルブックマークと呼ばれているサービスは
記名/顕名性シェアリングブックマークサービスでしかなく、
十分にソーシャルである(不思議な日本語ですが)サービスは多くないように感じます。
少なくともはてブは「シェアリングブックマークサービス」であるように
理解しています。
これについて異論のある方もいらっしゃると思いますが
こういった議論が今後なされていくことを望みます。
(あるいは、僕が問題提起&サンプルアプリを作るとか。)
上述のとおり、現状のソーシャルブックマークとよばれるサービスは
俺俺定義の「ソーシャルブックマークサービス」ではないように思われます。
では、ソーシャルブックマークサービスに必要なものは何なのでしょうか。
この必要条件についても考察が必要で、それこそが今後の発展系を見据えるために
重要なポイントではないかと考えます。
ローカルブックマーク
↓
オンラインブックマーク
↓
シェアリングブックマーク← 今ここ?
↓ ← あるいはココだ!
ソーシャルブックマーク
↓
ソーシャルごにょごにょ
というように発展系や未来型のSBMについての議論がなされることを望みます。
もし、可能ならば次回はそのような問題提起を起こしていきたいと思っております。
井口さんが講演で述べられていた「匿名性P2P型ソーシャルブックマーク」について考察するときに以下にみずからのプロファイル情報を隠すかというお考えでアルゴリズムを作られていましたが、これはオレオレ解釈のブックマークサービス像で考えると、
「シェアリングブックマークをローカルブックマークのように使いたい。」
というニーズになるように思われます。
現状のはてブが「誰がブックマークしたか/コメントしたか」という属人性のある情報を取り扱えていることが、ここが単純なシェアリングブックマークではなく
顕名性を採用していることから発生するメリットであるように考えると
この議論はソーシャルブックマークの方向性とは逆行しているように考えられますが、奥様の「お気に入りを公開する?正気?」発言からするとマスにアプローチする手段としては有効なのかもしれません。
しかし、参入障壁としてP2Pを考えると賢明な方法なのか・・・という議論の余地はあるでしょう。
嗜好のベクトル情報/プロファイル情報のみの交換ということなので
SBMサイトでもっともPVをあつめ、マスアプローチに成功している
人気のエントリーであるとか「ランキング」のようなものが成立しないということでどのような評価になるのかも楽しみです。
このような意味で、
「属人性のある情報」がソーシャルであるための重要なポイントでありながら
この部分の議論があまり進んでいないのは残念ともいえます。
果たして、ソーシャルブックマークシステムは「何のためのツール」なのでしょうか?そして国内市場を見たときにそのモデルは有効なのでしょうか。
個人的には情報整理・発見ツールとしては
Google Bookmarkのラベル&検索のほうが使い勝手がよいと思います。
ナレッジサイエンスの分野では情報整理・発見のツールとしての価値のある研究がすすんでいるように思われますが、この知見が今後ブックマークサービスに生かされるようになることを望みます。
しかし、コミュニケーションツールとしての側面を考えたときにはてブのよさが
でてきていて、それがそのままソーシャルブックマーク的なサービスのよさになっていると思います。
そろそろ、
ソーシャルブックマークの目指すところを議論してもよいのかもしれません。
既存のSBMサービスには2つの障壁があります。
・1つはその価値を理解すること
・もう1つは導入のためのブックマークレットなどを設定できること
そして、いざブックマークする!となったときに
・ブラウザのブックマークボタン以外のボタンとしてブックマークレットを押す
・コメント&タギングする
という行為を行う必要があります。
これらのアノテーションサービスの難しさはこの行為そのものの理解であると思います。たとえばニコニコ動画は「集合知」という観念に対して「集合情」という概念を創出し、アノテーションへの抵抗を減らしました。
この背景にあるものもコミュニケーションというものです。
「集合情」を起点にはてブを見れば「これはひどい」タグには重要な可能性が眠っているということもいえます。
星さんの講演で質問したように
感情共有こそがコミュニケーションサービスにおいて重要なポイントだからです。
ところで、そもそも
ブックマークである必要があるのでしょうか?
タギングする必要があるのでしょうか?
これらの行為は非常にハードルが高く高コストです。
これは懇親会の帰りに星さんと話したことなのですが、
コモンズ・マーカーにしろ、既存のはてブなどにしろ記事のオーサとの関連が低く
記事そのもののコメント機能ではなくそれらにオーバレイする形でコメントや批判がなされる形というのはどうなのでしょうか。
たとえばHTML上にコメント/hidden属性でオーサアカウント固有情報を書き込むなどすることでより発展的なオーサとの関連性を高めることはできないでしょうか。
はてブのようにはてなダイアリーも同時に所有してるサービスならば
ここの関連を自動化することもできますが、他のオンラインメディアとの関係性の築き方が今後の課題ともいえるでしょう。
ソーシャルブックマークサービスでブックマークという行為のハードルが高いことにも関連しますが、横田さんの講演によるとソーシャルブックマークサービスの利用者は全体の7%程度です。ブックマークの上位ランキングを見るものが9割おり、のこり10%がブックマーク行為をしたとします。しかし10%のうち9%は残りの1%のフォロワーのようにして誰かがブックマークして、上位に入り込んだエントリーのブックマークをしているような状況が現状と仮定します。(数字についてのソースはないです、すみません。)
このような現状のときに1%の誰かによる煽動や好みというのがダイレクトにのこり99%に広がります。この状況を好ましいと思える場合にはよいのですが、好ましいと思えない場合にはどうでしょう?このブックマークサービスを利用していない93%のネットユーザにとって、魅力的なサービスでしょうか?
いわゆる「はてな村」問題の原因はこういった狭い志向性をもった情報が一律的にランキングされ、情報としてあがってくることにあります。逆に懇親会でよく聞かれた意見としてはブックマーカーランキングがあがってゆくことがとても楽しく感じ、どんどんと地位が向上してくるような錯覚を味わうことで「はてブ廃人」になりそうだったというものがありました。
MMORPGと同じように狭い世界でのランキングや名誉欲を刺激するサービスがこういったコアユーザを生み出すことはよくあることですが、このようなサービスはマス向けではなくやはり、限られたユーザだけのものになってしまいます。
それもまたアリだと思います。たとえば横田さんの講演にあった専門特化のSBMなどはまさにそれでノイズの割合を下げることにもつながるからです。
しかし、一律のランキング性は「もりあがる」にせよ、多様性を保障しません。
各人にうまくカスタマイズされるようにすること、たとえばryoくんのKikkerのように学習性をもったり、お気に入り情報をもっと上手く利用することなどによってパーソナライズすることがソーシャルである重要な部分であり、多様性の保障によってより多くのユーザに楽しんでもらえるサービスになるのではないでしょうか。
1%の編纂者問題は重要なテーマです。ブックマークサービスの抵抗をさげ、さらに発展するためにはこのような問題へのシステム的な対応が必要になると考えます。
散々、語りましたが最後に将来のソーシャルブックマークについての考えを述べたいと思います。
前述のように現状のSBMサービスは「シェアリングブックマーク」とその発展の域から出ていないように感じます。ソーシャルグラフとの関連が進むことはコミュニケーションサービスとしての観点からは間違いないだろうと考えます。
これはGoogle Social Graph APIやOpen IDなどによって単純なシェアリングブックマークやオンラインブックマークをソーシャルブックマークに変えることが容易になるだろうということからも考えられます。
また、分散しているブログコミュニティやモバイルコミュニティがブックマークではないにしろ、URLをシェアするサービスが出てきたときに偏った編纂者問題が複数のサービスによって解決されるという状況が想定できます。
これは専門家SBMなどの流れにも関連します。
ソーシャルグラフベースのSBMサービスが2ホップ圏内の情報をまとめることによっても偏った編纂者の問題は緩やかに解決されるとも考えられますが、既存のコミュニティからの脱却が難しく(はてな村からの脱走)、閉じられたまま収束する可能性も否定できません。
群発し、乱立し、多様化する状況になると1つの可能性としてはOnline Bookmark APIの方向性がありえるでしょう。
XML/RSSベース・JSONPベース、いろいろ方法はあると思いますが複数のブックマークサービスの統合管理ということも起こりうる未来でしょう。
また、既存のインフラ/ガジェットベースで競合が発生した場合を考えてみましょう。
携帯電話会社やIE8などが自動でWeb履歴の一部を秘匿とシェアを行えるサービスをビルドインしたらどうなるでしょう?
いままで、そのようなサービスをつかったことのないユーザが新たな文化圏を形成し、一気に既存のSBM市場を駆逐してしまったら?
あるいはその際にどこかの強力なサービスを買収・連携したら?
非常に楽しい勉強会でした。しかしP2P関係者多いなw
これを問題提起として、次のSBM勉強会がより高次なサービスの本質への議論へ進むことを望みます。
tomoさん、よろしくおねがいします><
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